権力欲
「おれはやるぜ」
「なにを」
「おれはね。北海道の某政治家みたいにロシアと手を組んで、日本の医療を売り込む。北方領土に日本医療のシステムをもちこんだ病院を作ってね。こいつは売れるぜ」
「そいつはすごい」
「どうだい、お前も一枚噛まないか。いずれ内科部長くらいにしてやるぜ」
「魅力的ではある」
「どうも乗り気じゃないな。男なんだからもっと野心を抱いたらどうだ。それとも成功の確証がないのか?」
「そういう訳ではないが…」
「じゃあこれを見ろよ」
彼が私のスマート・ホンに送ったURLを開いたら大量の白人女性が出てきた。
「どうだい」
「悪くない」
「だろう。ロシア人女性にモテるぜ。流石にやる気になったろう」
「たしかに」
「決まりだ。まずロシア語を勉強したまえ。そのやり方は…」
彼は細かにロシア語の学習法を教えてくれたが結局中絶した。
私はどちらかといえばネパール人女性の方を魅力的に感じる。
とかく医学部には奇人が多い。